さようなら

数日前、実家で飼ってた愛犬が、他界しました。
15年以上を生き、最期はガンとも戦いましたが、平均寿命をはるかに越えた、長生きさんでした。
全寮制で生活していたので、実家に帰ってきたら、いきなりそこにいまして。
最初は本当に小さくて、庭でよちよち遊んでいたら、上空をとんびが旋回してたなんてこともありました。
帰省するたびに、見る間に大きくなり。
最初は飼うことに、あまり好意的ではなかった親父も、いつしか可愛がるようになり。
いつも、餌をくれたり、散歩に連れていってくれる弟にではなく、なぜか母に一番なつき。
いつでも、母のあとをついて歩いていました。
ある日、僕が寮に戻る日。
両親も先生に挨拶する用事があったので、家で留守番させたのですが。
実家から少し行ったところの交差点で、なぜか車の外を必死で走る、愛犬の姿。
どうにかして、どこかから脱走して、必死で追いかけてきたようです。


大学生になり。
実家から通うようになって、両親の旅行中に面倒を見ることが増え。
散歩にも連れて行くことが増えました。
正直、夏は暑いし、蚊も多い。
冬は寒い。
だから、散歩に付き合うのは、正直あまり好きではなかったのです。
でも、あの子は、散歩が大好きだったなー。
「お散歩行こうか」
って言うと、嬉しそうに玄関に猛ダッシュして、早く!早く!とクルクル回ってたし。
散歩に出たら、何が面白いのか、ちょっと歩いては塀の匂いを嗅いで、ちょっと歩いては草の匂いを嗅いで。
先週末、実家が別のところへ引っ越しまして。
(諸事情により、実家がなくなり、別の家を購入して、そっちに引っ越しました)
そこの引っ越しの手伝いをしてた時も。
相変わらず元気そうで。
新しい家の階段は、急だから、抱っこしてあげないとねーとか、最近耳が遠くなっちゃったんだよーとか話してたのです。
その時、ちょうど祖母も来てて。
「おんしゃ(お前は)、いつまで生きる?」
と、冗談っぽく話しかけてたので、
「ばーちゃんも、こいつも、まだまだ元気だで、あと10年は生きるさ」
と話していたのです。
そこから1週間。
うちの家族は、静かに息を引き取りました。
新しい家は、庭がとにかく広くて、見張らしが良いので。
今度、実家に帰って、庭にお墓を作ってあげようかと思います。
もっと散歩に連れていってあげれば良かった。
もっと会いにいってあげれば良かった。
唐揚げが大好きで、いつも食べてると、必死に「ちょーだい!」って目でこっちを見てて。
無視して食べてると、「ワン」って小さく鳴いて。
もっともっと、いろいろしてあげれば良かったね。
あっちでも、元気で。
ちょっとの間、ひとりでお散歩しててね。
そっちに行ったら、お散歩連れてってあげるから。

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